第335章 (3)

ウェイターは質問に戸惑った。

思わず小川雪由利の方を見た。

小川雪由利はにこにこしながら言った。「秋田結姉さん、私はお肉が食べたくないの。このスープの方がいいわ。これはあなたにあげる」

彼女はそう言いながら、肉がたくさん入ったスープを取り、秋田結に渡した。

ウェイターは彼女の行動を見て、少し眉をひそめた。

何も言わなかった。

小川雪由利は肉の多い方を秋田結の前に置き、肉の少ない方を自分の前に置いた。

ウェイターが個室を出て行ったことにも気づかなかった。

ただ自分のスープを見つめながら、不思議に思い返していた。さっきキッチンにいた時、自分のこの椀には肉が一切れしかなかったはず。

どうして今、三切れになっているのだろう。

もしかして、さっきはよく見ていなかったのかな。