第363章 あなたのキスのテクニックはたいしたことない

駐車場でのあのキスを思い出す。

秋田結はわざとだった、わざとあんな言葉を言って彼を苦しめようとしていた。

シャワーに入る前、彼は秋田結にメッセージを送った。【君の言う通りだ。俺は思うんだ、君の体の反応は、俺とのセックスを楽しんでいるってことを。】

秋田結はシャワーを浴びて出てきてから、上野卓夫からのメッセージを見た。

くそっ。

このろくでなし、自信過剰すぎる。

イケメンで体格がよくて、力も強いからって、そんなに偉いと思ってるの?

この世界には彼だけが男じゃないんだから。

言い負かされても、気持ちは負けない。

秋田結は力では彼に敵わず、それだけでも不利だった。

口喧嘩でもずっと押さえつけられるの?

彼の言葉がもたらした衝撃を無視して、彼女は素早くメッセージを打ち、送信した。