「結ちゃん、上野グループの現場インタビューの生中継を見て。」
草場盟子の言葉に雲井洋治も引き寄せられた。
彼は椅子を引き寄せて草場盟子の隣に座り、「パソコンで見よう、スマホは小さすぎるよ。」
そう言いながら、素早くパソコンを開いた。
秋田結は最後のボイスドラマを聞き終えてから、草場盟子の右側に移動した。
画面には、スーツ姿の上野卓夫が映っていた。背が高くすらりとして、冷たく気品がある。
マイクを持つ指は長く清潔で、関節がはっきりしている。オーラを無視しても、その容姿だけで多くの男性芸能人を圧倒していた。
草場盟子は秋田結に向かって言った、「上野卓夫ってすごくかっこいいよね、結ちゃん?」
「盟子、それって礼儀正しいの?」
雲井洋治は自分の顎に手をやった。
言外の意味は、こんなイケメンの自分の前で上野卓夫がかっこいいと言うなんて。