第403章 心の病気があったのか

携帯が数回鳴り、三井忠誠の声が聞こえた。「もしもし、結ちゃん」

「今夜は残業するの?」

秋田結は片手でマウスを握り、もう片方の手で携帯を持ちながら、淡々と尋ねた。

「うん、残業する」

「三井康隆は今夜接待があるの?」

「うん」

「じゃあ、別荘の人たちを1時間ほど外出させられない?」

「結ちゃん、だめだよ」

三井忠誠は考えるまでもなく制止した。

心配そうに言った。「今夜時間を作って一度帰るから、君が危険を冒す必要はない。この前の二日間はずっとチャンスを見つけられなかった」

「彼を引き止めておくように手配するわ、夜10時までは」

電話の向こうで一瞬の沈黙があった。「わかった」

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仕事が終わった後、秋田結はすぐに家に帰らなかった。

代わりに病院に行って上野お婆さんを見舞った。