第405章 二度の着信拒否

完全に本物と見分けがつかないほどだ。

しかし、上野卓夫は違う。彼と秋田結の関係を考えると、電話越しでも三井美咲が偽物だと見抜けるだろう。

三井美咲は理解した。「わかりました」

車は葉都病院に向かって急いで走り出した。

その頃、三井忠誠は三井康隆の別の別荘に連れて行かれていた。

彼をソファに寝かせ、まだ意識がないのを確認すると、その男は写真を2枚撮った。

そして用意しておいたロープで彼を縛り上げた。

この男は三井家の別荘の警備員の一人、上見健太だった。

あの日、三井忠誠が書斎に入ったと認めた後。

三井康隆は数人の警備員に命令を下し、三井忠誠を監視させていた。

今夜、三井忠誠が帰宅するとすぐに、勤務中の上見健太と西村五郎を工場へ行かせた。

しかし、上見健太と西村五郎は実際には工場へ行かず、こっそりと三井忠誠の後をつけていた。