第415章 彼は掠れた声で言った、「君が恋しい……」_2

元々深夜で、光が薄暗かった。

直接ビデオからスクリーンショットを撮ると、確かに、より見づらくなる。

「このビデオを私に送ってくれる?」

秋田結はそう言って、上野卓夫を見上げた。

彼がちょうど横顔を向けてきた。

彼女の眉骨が、彼の唇に触れた。

温かい感触に彼女の息が止まった。

一瞬で甘い空気が生まれた。

秋田結は思わず唇を噛み、澄んだ瞳に彼のハンサムな顔が映っていた。

上野卓夫の喉仏がゴクリと動いた。

こんなに近い距離で、彼のセクシーな薄い唇がまだ彼女の肌に触れていた。

呼吸するたびに、彼女特有の香りがした。

薄い唇が彼女の眉骨から離れ、彼は掠れた声で「わかった」と答えた。

彼女にキスしたいという衝動を抑えながら。

目を伏せ、骨ばった長い指でスマホを操作すると、しばらくして秋田結のスマホに通知音が鳴った。