第416章 すべての抵抗と葛藤が、致命的な誘惑となった

秋田結は不機嫌そうにドアを開けた。「まだ何か用？」

ドアの外で、男は彼女の不機嫌さを見て、優しく静かに言った。「まだ一つ言い忘れたことがある。」

「何？」

秋田結は眉をひそめ、疑わしげに彼を見つめた。

上野卓夫は真面目な顔で嘘をついた。「あの部屋、匂いがするんだ。」

そう言いながら、彼は部屋に入り込み、強引にドアを閉めた。

秋田結はドアに押し付けられ、小さな顔に怒りを浮かべた。「あなた...」

「結ちゃん、今夜だけ君の部屋のソファで寝かせてくれないか。」

彼は深い眼差しで、ほんのり桃色に染まった彼女の小さな顔を見つめ、なぜか口の中が乾いた。

声がかすれていた。

秋田結はきっぱりと反対した。「だめ。」

もう部屋を用意したのに、まだ何を望むの？

彼の長い指が彼女の温かい唇に触れ、かすれた声で誘った。「じゃあ、キスしてくれたら、自分の部屋に戻るよ。」