第420章 一生あなたを待つ_3

秋田結は三井康隆が捕まったことを知った。

しかし、彼女は上野卓夫の状況を知らなかった。

あの男はとても憎たらしいが、今夜は彼女のために三井康隆の車を追いかけたのだ。

秋田結はその時見ていた、車には三井康隆一人だけではなかった。

他にも二人いるようだった。

一対三。

彼女は上野卓夫が怪我をしているかどうか分からなかった。

しかし彼女は知っていた。

上野卓夫がホテルに戻ったら、必ずドアをノックするだろうと。

彼女はずっと待っていた、オーディオドラマを聴いて気持ちを落ち着かせながら。

ノックの音が耳に入ってきた。

彼女の呼吸が一瞬止まった。

顔を上げてドアの方向を見た。

そして、素早く携帯を投げ出し、ベッドから降りた。

ドアを開けると、上野卓夫の凛とした姿が外に立っていた。