第456章 私は結ちゃんをもっと愛している

上野卓夫の病室を出た後、秋田結はさらに中野教授に状況を尋ねた。

エレベーターに乗り込むと、佐藤和俊から電話がかかってきた。

エレベーター内は電波が届かず、秋田結は応答せず、一階に着くまで待った。

出てから、彼女は佐藤和俊に折り返し電話をかけた。

電話が二回鳴っただけで、佐藤和俊の声が聞こえてきた。「もしもし、結ちゃん。」

「さっき電話してきたけど、何かあった?」

「うん、一つ伝えておくべきことがある。」

佐藤和俊がどこにいるのかわからないが、電話の向こうはとても騒がしかった。

足音の後、騒がしさは少し収まった。

秋田結はすでに病院のロビーを出て、眉間にしわを寄せながら尋ねた。「何?」

「伊藤明史があなたに会いたがっている。」

佐藤和俊のこの言葉の後、他には何も言わなかった。