写真の中の人は、透け感のある黒いシースルードレスを着ていて、スカートの裾は太ももをかろうじて隠している。
すらりとした均整の取れた太ももが露わになり、雪のように白く繊細で、少し肉付きがあることに驚かされる。まるで軽く摘むだけで指の跡がつきそうなほど柔らかそうだ。
さらに絶妙なのは、太ももの内側に一つの赤いほくろが点在していて、黒いシースルードレスの下で時折見え隠れし、まるで意図的に想像の余地を残しているかのようだ。
もしその赤いほくろを軽く触れたら、この完璧な両脚は敏感に耐えられず、かすかに震えるだろうか……
片桐陽向の呼吸は瞬時に乱れ、彼は急いで携帯を伏せた。
神崎静香は彼の隣に座っていて、彼が携帯を伏せる速さは速かったが、それでも彼女は携帯に映っていた少し不謹慎な写真を見てしまった。
ただ、誰が片桐陽向に送ったのかははっきり見えなかった。彼女はその場で箸をきつく握りしめた。
どんな人が片桐陽向にこんな不謹慎な写真を送るのだろう。彼女は片桐陽向の周りに女性がいるという話も聞いたことがなかった。
片桐陽向は無意識に神崎静香を一瞥し、心の中の激しい感情の波を落ち着かせてから、「少し席を外します」と言った。
片桐陽向は椅子を引いて立ち上がり、大股で離れていった。
神崎静香は急いで箸を置き、紫藤親子に謝った。「すみません、ちょっとトイレに行ってきます」
片桐陽向はホテルのロビーを出て、駐車場へ向かって歩いていった。後ろからはハイヒールの急ぎ足の音が聞こえてきた。
「陽向、待ちなさい」
片桐陽向は深く息を吸い、足を止め、追いかけてきた神崎静香を振り返った。
神崎静香は息を切らして片桐陽向の前に立ち止まった。片桐陽向は身長が190センチ近くあり、彼女は見上げるしかなかった。
「さっきの写真は誰が送ってきたの?」神崎静香は問い詰めるような口調を抑えられなかった。
片桐陽向は指で携帯をいじりながら、無関心に言った。「僕はやっぱり君たちの冷たさに慣れているよ」
神崎静香の表情が一瞬空白になり、声が鋭くなった。「何を言っているの?」