彼女はいずれ自分を助けてくれるだろう。
……
西村绘里は村上秘書の方向に歩いていき、村上秘書は西村绘里に隅の方へ行くよう合図した。
「村上秘書、さっき私を呼びましたか?何かありますか?」
「西村さん、実はさっき黒田社長がドレスを用意するよう人を遣わしまして……どんなアクセサリーがお好みか伺いたいとのことです。」
「こちらがアクセサリーのサンプル写真です、ご覧ください。」
そう言って、村上秘書は手元に用意していたアクセサリーの写真と説明書をすべて西村绘里の前に広げた。
西村绘里の視線が精巧なアクセサリーに落ち、口元が少し引きつった。
輝く緑色のティアラは、ドイツのデュネスマルク伯爵が二番目の妻カトリーナ王女のために特別に注文したものだった。
西村绘里は少し聞いたことがあった。このティアラには11個の希少で類まれなる洋梨型のコロンビアエメラルドが埋め込まれており、総重量は500カラット以上で、その重さは驚異的だった。
ティアラに施された小さなダイヤモンド、金、銀を合わせると、価値は1,270万ドルにもなる。
西村绘里はゴクリと唾を飲み込み、その後他のアクセサリーの写真を見た。
ブローチまであった。
カルティエのダイヤモンドブローチは、パリの研究所で製作され、オークション価格はすでに3,000万を超えていた。この精巧なブローチは34カラットのダイヤモンド一つと、23.55カラットと6.51カラットの宝石二つで構成されていた。
「西村さん、ブローチとティアラは黒田社長があなたに複数選んでほしいと言っていました。ネックレスもありますよ。こちらは『キングスハート』ルビーネックレスです。このネックレスには40.63カラットの巨大なミャンマー産ルビーが使われており、ネックレス全体の重さは155カラットです。」
村上秘書の説明を聞きながら、西村绘里は再び混乱した。
もし……
自分の記憶が間違っていなければ。
これらの宝飾品は、世界的に名の知れたものばかりだ。
オークションで謎の買い手に落札され、行方不明になったものもあれば。
皇室の作品もある。
黒田真一……
彼がどうしてこんなに価値のある作品をたくさん持っているのだろう?
西村绘里は心の中で感慨深く思いながら、口元を少し引きつらせた。