第208章 黒田奥様が黒田さんを一晩中予約する2更(6)

「うん、それならよかった。忘れ物があったから、確認しに戻ってきたんだ」

西村絵里は美しい瞳を見開き、黒田真一が何を指しているのか分からなかった。

車内には、黒田真一が置き忘れたものなど何もなかったはずだ。

西村絵里が困惑していると、男の長身が車内に滑り込み、彼の大きな手が彼女の後頭部をしっかりと掴み、薄い唇が正確に彼女の唇を捉え、強引にキスをしてきた。

西村絵里:「……」

強引なキス?

西村絵里は男の強烈なキスで頭がくらくらし、どう反応すればいいのか全く分からなかった。

しばらくして、やっと男の薄い唇が彼女の唇から離れるのが見えた。

黒田真一は西村絵里の顔を赤らめている様子に満足げに、何気なく付け加えた。

「黒田さんは…問題ありません。黒田奥さんはご安心ください。それと、黒田奥さんは今後過激な行動は控えてください。将来の幸せな生活のためにも考慮すべきです」