男の体から魅惑的で誘惑的な麝香の香りが漂ってきた。
西村绘里:「……」
なぜ……
こんなにも挑発的な意味が含まれているのだろう?
西村绘里は男の整った顔立ち、高い鼻筋、薄く冷たい唇を見つめた。
黒田真一は確かに造物主に愛された男で、まるで芸術品のように精巧に彫刻されたような存在だった。
「黒田社長、もう遅い時間です。」
「西村绘里、私を見て。」
西村绘里:「……」
彼を見る?
どういう意味だろう?
西村绘里は目の前の男を見つめざるを得なかった。二人の視線が空中で交わり、黒田真一の瞳は大海のように深く、精緻だった。
思わず、その中に引き込まれそうになる。
きっと、黒田真一のような男性なら、どんな女性も彼の魅力から逃れられないのだろう。
西村绘里は口元をわずかに引きつらせ、冷静さを保とうと努め、目の前の男性の色気に動じないようにした。
黒田真一は腕の中の女性を見つめながら、心の中で自分に言い聞かせた……
壁ドン……
うーん、壁ドンもそれほど効果があるとは思えない。
だから、やはり椅子の方がいい。
こうすれば、彼女を完全に自分の視界に収めることができる。しかも、少し横たわった状態で。
おそらく男の本能だろうが、黒田真一は西村绘里が横になっている時の方が……
立っている時よりもずっと美しく見えると感じていた。
さらに重要なのは……
立っている時、西村绘里は足を上げて自分の股間を蹴ってくるが、今は半ば横たわった状態で椅子に座らされ、女性の両足は自分に制御されていて、力を入れることができない。
藤原家で朝に起きたことについて、黒田真一はまだ少し心残りがあった。
なぜなら西村绘里は本気で、その力加減も決して軽くはなかったからだ。
……
黒田真一は女性の白い小さな顔を見つめ、潤んだ大きな瞳は非常に澄んでいて、湿った輝きを放っていた。
このような潤んだ澄んだ様子は、彼の脳裏に甘奈の小さな顔を一瞬思い起こさせた。
甘奈が困惑している時、潤んだ大きな瞳でこのように自分を見つめていたのだ。
「黒田社長……」
西村绘里は明らかに男性の異変に気づいた。男性の息がすべて自分の顔にかかり、西村绘里の頬は一面に紅潮した。
それなのに、足を上げて目の前の男性を蹴ろうとしても、男性はまったく動じなかった。