西村絵里は藤原海翔の褒め言葉に思わず噴き出して笑った。
何が男を誘惑するだって……
何が止められないだって。
自分の娘はとても素直なのに。
西村絵里は自分の娘が早熟だということを絶対に認めない。
「藤原三郎、食事よ。私の娘を悪い方向に導かないで」
「絵里ちゃん……さっきは君の娘が僕を誘惑したんだよ……」
西村絵里:「……」
誘惑って、冗談じゃないわよ。
西村絵里が反論しようとした矢先、自分の娘が藤原海翔を誘惑し続けるのを聞いた。
「藤原おじさん、実はね、私もおじさんがすごくかっこいいと思うの。明日私たちの幼稚園に来てくれない?自慢したいな」
「もちろん、甘奈ちゃん。君の言うことなら何でも聞くよ……僕のルックスは、いつも君たち母娘のためにあるんだ。ほら、君はなんて賢いんだろう。絵里ちゃんはただのバカなんだ。僕がこんなにかっこいいのに、自慢しようともしない。学生の頃、僕が彼女に近づくたびに、彼女は僕がナンパしていると言い張ったんだ」