第323章 パパとママは知り合いなの?2更(6)

西村絵里は心の中の異様な感情を押し殺し、美しい瞳で平静を装った……

深く息を吸い、罪状が確定したのなら……最後の判決を待つだけだ。

そう考えながら、西村絵里の美しい瞳はさらに暗くなり、一筋の暗い光が走った……

藤原海翔は突然感じた……この黒田真一が西村絵里と甘奈の間に来て、まるで三人家族のようだと。

自分はまるで部外者のようだった。

そう思うと、藤原海翔は少なからず挫折感を覚えた。

……

ステージ上:

15曲連続で歌ったため、休憩時間となり、ファンとの交流タイムが始まった。

甘奈はそれを見て、興奮を抑えられなかった。

「私を選んで、私を選んで……わーい……」

ボーイグループの一人、柊はマイクを持って積極的に口を開いた。「私たちが選んだラッキーファンは……1番です!」

1番?

各ファンは会場に入る時、自分の入場順序を示す番号を持っていた。

甘奈は小さな唇を尖らせ、小声でつぶやいた。「あぁ……私じゃないね、ママ、私は235番だよ。」

「うん。」

「誰があなたじゃないって言った……」

言い終わると、黒田真一は手にしていた1番の番号札を甘奈に渡した。甘奈は喜びに飛び跳ねた。

「わぁ……おじさん、あなたは……どうやったの?夢じゃないよね、私……ははは……私だ私だ、私だ……」

甘奈は興奮して番号札を持ったまま、コンサート会場のステージに向かって走り出した。西村絵里は小さな女の子が怪我をしないか心配で、急いで立ち上がった。

「甘奈、走っちゃダメ、ママを待って、抱っこしてあげる。」

「必要ない、後で彼女の面倒を見る人がいる。今は、私たちどちらも姿を見せるべきではない。」

西村絵里は立ち上がろうとしたが、黒田真一にこのように手首をつかまれ、再び席に座るしかなかった。

小さな手を男性の手首から引き離そうとしたが、力が入らなかった。

男性の力の強さは、まるで自分の手首を折りそうなほどだった。

折らなくても……骨を砕かれそうな感じがした。

西村絵里は小さな手を握りしめたが、振りほどくことができず、黒田真一と藤原海翔の間で再び衝突が起きることも望まなかったので、黒田真一に自分の小さな手をつかませたままにするしかなかった。

……

甘奈が休憩室から走り出すと、すぐに横にいた黒服の男性に抱きかかえられ、丁重に言われた。