第340章 夫婦の間でする事2更(3)

西村絵里は顔を真っ赤にして、急いでバスルームの方向へ歩いていった。

背後からは、時折男性の心地よい笑い声が聞こえてきて、まるでチェロの音色のように、とても魅力的だった。

黒田真一……こんなに妖艶な男性は、天上にしかいないもので、地上ではめったにお目にかかれないだろう。

そう思うと、西村絵里は唇を軽く噛んだ。

……

西村絵里はすぐにぬるま湯を一杯持ってきた。小さな女の子は甘い眠りについており、黒田真一は深い黒い瞳で大きなベッドの上の小さな女の子を見つめ、とても愛おしそうだった。

西村絵里は静かに言った:「黒田社長、少しどいてください。私が拭いてあげます。」

「いいよ。」

黒田真一は西村絵里が自分の腕の袖をまくり上げ、そして丁寧に甘奈の小さな顔、小さな手、首を一つ一つ丁寧に拭いているのを見ていた。

薄い唇を噛んで……

とても細やかで、人の世話が上手だ。

なるほど、西村絵里の料理がこんなに美味しいのも納得だ。

おそらく……これらすべてが理由なのだろう。

黒田真一の黒い瞳はさらに深くなり、目を細めた……

……

西村絵里は甘奈を簡単に拭き終えると、布団の端を整え、それから身を屈めて小さな女の子の額にキスをし、静かに言った。

「ママの甘奈ちゃん……おやすみ。」

「うーん。」

夢の中の甘奈も誰かが自分を呼んでいるのを感じたかのように、小さな唇を尖らせ、うーんと一声出して、また深い眠りに戻った。

西村絵里はその後、水の入った盥をバスルームの方向へ持っていった。

……

さっきは甘奈の世話をしなければならなかったので、西村絵里は他のことを考える余裕がなかった。

しかし……今は……甘奈は眠った。

自分と黒田真一は、どうすればいいのだろう?

西村絵里は目を暗くした……

この小さな女の子はパパの家に行きたいと口にしていた。

今や……本当に同居という状況になってしまった。

子供と一緒に同居?

西村絵里は小さな手を握りしめ、今夜、自分はどうすればいいのか考えた。

そう思うと、西村絵里は深呼吸をして、バスルームにできるだけ長く居座ることにした。

バスルームにこんなに長くいると男性に疑われるかもしれないと心配して、西村絵里は直接水道の蛇口を開けっぱなしにし、水の音で黒田真一が入ってこないようにした。