第338章 夫婦の間でする事2更(1)

車内:

甘奈の潤んだ大きな瞳が二人に注がれていた。

パパとママが何をしているのか分からないけれど……

でも、なぜだか分からないけれど……

パパとママと一緒にいると、とても幸せ。

今日は、自分が生まれてから一番幸せな日だった。

……

甘奈の上機嫌とは対照的に、西村絵里の表情はあまり良くなかった。

二対一。

黒田真一がどうしてこんな結論に至ったのか、本当に分からない。

くそっ……

西村絵里は心の中で黒田真一を激しく非難しながら、口元に微かな笑みを浮かべた。

「黒田社長……」

「西村絵里……これは最初の借りに過ぎない、帰ったらもっとキツく仕置きしてやる。」

西村絵里:「……」

不安、恐怖。

西村絵里はその言葉を聞いて顔色が少し変わり、口角をピクリと動かし、瞳の奥に一瞬だけ暗い光が走った。

「パパ……ママに何を言ってるの?どうして私には分からないの?」

甘奈の甘えた声が車内に響き、多少なりとも緊張した雰囲気を和らげた。

西村絵里は唇を噛み、小さな女の子を見つめて優しく言った:「甘奈ちゃん、ママのところに来て、ママが抱っこしてあげようか?」

「うーん……いや、ママの体は硬いから、やっぱりパパの方が気持ちいいよ。」

西村絵里:「……」

甘奈は小さな唇を尖らせ、無邪気な表情を浮かべていた。

実際、自分は間違ったことは言っていない。

ママはあまりにも痩せているから、抱っこされても、パパほど気持ちよくないんだもん。

黒田真一はそれを聞いて、口元の笑みがさらに大きくなり、視線を西村絵里の白磁のような小さな顔に落とし、黒い瞳がさらに深みを増した。

……

臨海別荘への道中、甘奈は今日一日中遊び回ったので、すぐに眠くなってきた。

黒田真一の胸に寄りかかって眠そうにしていたが、どうも落ち着かない様子だった。

西村絵里はその様子を見て静かに言った:「彼女、少し眠いみたい。私が抱っこするわ……私が寝かしつけるのに慣れてるから。」

黒田真一は眉を寄せた。なるほど……

甘奈が眠そうな目をして、いつも自分の胸元に潜り込もうとするのは……

眠くなっていたからなのか。

西村絵里は黒田真一の腕から甘奈を抱き取った。案の定、小さな女の子は西村絵里の胸元に着くとすぐに、西村絵里の懐に潜り込もうとした。

特に西村絵里の胸の辺りに。