第365章 黒田奥様との裏取引2更(8)

「ふん……この爺さんは長年世間を渡り歩いてきたんだ、お前のような小僧に騙されるものか。」

藤原お爺様はとても強情で、甘奈はもぐもぐと小さな口を動かしていた。

彼女は彼を騙してなんかいないのに。

お爺ちゃんはひどいよ……

そう思うと、甘奈は藤原お爺様に向かって茶目っ気たっぷりに顔をしかめ、それから裏庭の方向へ楽しそうに走っていった。

執事はその様子を見て、おずおずと後を追った。

「お嬢様、少しゆっくり走ってください、あなたのペースについていけません。」

「へへへ……追いかけてきてね、私を捕まえたら、飴をあげるよ。」

……

甘奈の楽しげな声が遠ざかるのを聞きながら、西村绘里は目の前の表情の厳しい藤原お爺様を見て、静かに言った。

「お爺様、甘奈は確かに私の娘です……でも藤原家とは何の関係もありません。」