第365章 黒田奥様との裏取引2更(8)

「ふん……この爺さんは長年世間を渡り歩いてきたんだ、お前のような小僧に騙されるものか。」

藤原お爺様はとても強情で、甘奈はもぐもぐと小さな口を動かしていた。

彼女は彼を騙してなんかいないのに。

お爺ちゃんはひどいよ……

そう思うと、甘奈は藤原お爺様に向かって茶目っ気たっぷりに顔をしかめ、それから裏庭の方向へ楽しそうに走っていった。

執事はその様子を見て、おずおずと後を追った。

「お嬢様、少しゆっくり走ってください、あなたのペースについていけません。」

「へへへ……追いかけてきてね、私を捕まえたら、飴をあげるよ。」

……

甘奈の楽しげな声が遠ざかるのを聞きながら、西村绘里は目の前の表情の厳しい藤原お爺様を見て、静かに言った。

「お爺様、甘奈は確かに私の娘です……でも藤原家とは何の関係もありません。」

「冗談じゃない、藤原三郎が小さい頃、女の子の服を着せたら……甘奈にそっくりだった。」

藤原お爺様は甘奈を一目見た時、このロリータがとても可愛いと思った。

藤原家の人に違いない。

西村绘里:「……」

お爺様は藤原三郎の結婚を望みすぎて頭がおかしくなったのかもしれない。

あるいは、ひ孫娘が欲しくて頭がおかしくなったのかも。

「藤原お爺様、もし信じられないなら、藤原三郎に聞いてみてください……」

「あの孫は、お前にすっかり夢中になってしまって、聞いたところで何の結果が出るというのだ?」

西村绘里は唇を噛んだ。実は黒田真一を巻き込みたくなかったが、今となっては言わないわけにはいかなかった。

「藤原お爺様……私は黒田真一と既に結婚しています。この子が誰の子かは、言うまでもありません。」

「ふん……甘奈は今年3歳だ、お前と黒田さんが結婚したのはたった2年前だ……どこに子供がいるというのだ?」

西村绘里:「……」

藤原お爺様の確信に満ちた様子を見ると、彼は自分が4年前に藤原海翔と何かあって、子供を産んだと確信しているようだった。

西村绘里はすっかり弁解のしようがなくなった。

「こうしましょう、藤原お爺様……今はDNA検査ができますから、甘奈の髪の毛と藤原三郎で照合して、二人が本当に親子関係かどうか確かめられます。これなら、いいでしょう。」

藤原お爺様に対して、西村绘里はできるだけ道理を説こうとした。