第377章 ママはパパの彼女2更(7)

「甘奈ちゃん、まだお爺様に甘いものが好きじゃない理由を言ってないわね」

甘奈は黒田真一も自分に関心を向けていることを見て、よく考えた。ああ、みんなを心配させないようにしよう。

そう思いながら、甘奈は真剣に小さな唇を尖らせ、とても悔しそうに言った。「私、虫歯になっちゃったの。だから当然お菓子は食べられないわ。お爺様、私が歯のないおばあさんになるのを見たくないでしょう?」

「この子ったら...」

甘奈がそう言うと、西村絵里は大きくため息をついた。

小さな女の子はとても賢いね。

虫歯のことを言うなんて。

西村絵里は口角を少し上げた。小さな女の子、本当に可愛い。

藤原海翔も黒い瞳に賞賛の光を浮かべていた。この甘奈は西村絵里にとても良く教育されている。

……

黒田真一は薄い唇を少し上げた。この子の虫歯も日常茶飯事だな。

うん、これからは小さな女の子にお菓子を少なくしないといけないな。

でも、子供がお菓子を食べないと子供じゃなくなってしまう。

きっと多くの楽しみを失うだろうな。

……

昼食を終えて。

黒田真一は西村絵里と甘奈を連れて帰ろうとした...しかし藤原お爺様は名残惜しそうだった。この小さな女の子がここに来てまだ半日も経っていないのに、自分は午前中ずっと笑っていた。

何年も気分がこんなに良くなかった。

だから、藤原お爺様は甘奈が帰ろうとするのを見て、じっと見つめ、心の中でとても名残惜しく思った。

西村絵里も少し焦っていた。早く黒田グループに戻ってデザイン図を描きたかった。

西村絵里は唇を噛んだ。この藤原お爺様は、性格がこうだから、本当に頑固だ。

「甘奈ちゃん、お爺様のところに数日泊まっていかない?」

「うーん、お爺様、距離が美を生むのよ。私はパパとママとよくお爺様に会いに来るわ」

「うん」

藤原お爺様は引き留められないことを知り、黒田真一が甘奈を抱き、西村絵里の手を取って出口へ向かうのを見るしかなかった。

甘奈は小さな腕を振り、とても愛らしかった。

「さようなら、お爺様さようなら、おじいちゃんおばあちゃん、藤原おじさんさようなら」

西村絵里は甘奈のとても可愛らしい様子を見て、黒田真一と一緒に皆に挨拶をし、さようならを言った。

……