第393章 旦那様と呼んでみて2更(1)

西村絵里と黒田真一が甘奈を抱いて車内に座った時。

甘奈は思わず褒め言葉を口にした。「ママ……さっきすごくかっこよかったよ。あのお風呂に入ってないおばさんをきつく叱ったね」

「うん、ママは私のアイドルだよ……」

小さな女の子がそう言うのを聞いて、西村絵里は思わず尋ねた。「そう?じゃあ私とボーイ、どっちが好き?」

「それは……」

甘奈は悩んでしまった。

西村絵里:「……」

小さな女の子の愛は、本当にちょっとした試練にも耐えられないものだね。

西村絵里は思わず笑い、仕方なく唇の端を上げ、小さな手を伸ばして小さな女の子の髪を撫でながら、優しく言った。「もういいよ……甘奈ちゃん、ママがひとつ言っておきたいことがあるの」

「うん」

「ね、私たちは適当におばさんがお風呂に入ってないとか、そういうことを言っちゃいけないの。失礼だからね、わかった?」