第421章 夫婦同心その利は金を断つ2更(8)

西村絵里は自分がボーイの前で、甘奈に見捨てられたと感じた。

これはママよりも男の子を優先する小さなロリータと言えるだろうか。

しばらくすると、西村絵里は携帯の画面で小さなロリータの顔は見えなかったが、彼女の澄んだ声が聞こえてきた。

「ひいおじいちゃん、この三人は私の彼氏よ……長男、次男、三男って呼んでもいいわよ……」

「えっ?」

「へへへ……そうすれば区別しやすいでしょ?だって、これから四男、五男、六男もできるし……もっともっとたくさんよ」

西村絵里:「……」

甘奈はもう十分だ。

藤原海翔がわざとスマホの画面をボーイグループの三人に向けたのかどうかはわからないが、西村絵里は彼らの顔に明らかに引きつっているのを見た。

彼らの様子に思わず笑ってしまい、西村絵里は口を開いた。「藤原三郎、甘奈ちゃんの……うん、虫歯予防のことは、あなたに任せるわね」

西村絵里は言葉をはっきりと言わなかったが、藤原海翔は心を通じ合わせ、すぐに理解した。

「わかった、安心して。外では自分の体を大事にしてね。君はいつも野生児のように何でも平気そうに見えるけど、外国では気候や水が合わなくて体調を崩すこともあるから……わかった?お湯をたくさん飲んで……」

「はい」

「それから、クズ男には近づかないように」

西村絵里:「……」

「クズ男」という言葉について、藤原海翔は誰とは言わなかったが、西村絵里にはそれが黒田真一のことだとわかっていた。

西村絵里は思わず笑い、そして真剣にうなずいた。

「わかったわ……」

……

電話を切ると、西村絵里は少し退屈になった。異国の地で一人きりで、どうしていいかわからない気持ちになった。

言葉が通じないので、部屋の中から窓の外の美しい景色を眺めるしかなかった。

その間、スイートルームの電話が鳴り、西村絵里は美しい瞳を驚かせ、ルームサービスだと思って電話に出ると、受話器の向こうから男性の磁性のある声が聞こえてきた。

「何をしているの?」

西村絵里:「……」

黒田真一だった。

西村絵里は思わず尋ねた。「黒田真一、なぜ私の携帯に電話をせずに、部屋の固定電話にかけてきたの?」

「なぜなら……君は電話代が高いと思って、そのうち私のことを文句を言って、不満に思うだろうから」

西村絵里:「……」