第425章 西村絵里の給料カードをあなたに1更(3)

……

会議室の人々が散り散りになった後、村上秘書は恭しく前に進み出た。

「黒田社長、そろそろ空港に向かう時間です……」

「うん……」

「村上秘書、携帯電話を貸してくれ」

「何ですか?」

黒田真一が自分の携帯電話を取ろうとしたので、村上秘書は少し恥ずかしそうに口を開いた。

「わかりました……」

村上秘書は携帯電話を黒田真一に渡した。画面には自分の妻とのメッセージが表示されていた。

「旦那様、愛してるわ。出張はさぞかし大変でしょうね、心配よ。体に気をつけてね……あなたのこと考えてる、考えてる、考えてるわ……旦那様、チュッ」

黒田真一:「……」

黒田真一は開いたらメッセージだとは思わなかった。不自然に咳払いをすると、村上秘書はさらに顔を赤らめた。

エマ……

まさにこれが怖かったのに、結局黒田社長に見られてしまった。