「ありがとうございます、そこまでしていただかなくても大丈夫です」
「西村さん、これらはすべて黒田さんが事前に指示されたことです。私たちがすべきことです。黒田さんは当ホテルのVIPユーザーですから」
黒田さん……
黒田さんは自分がローマに来てから、姿を消してしまった。
西村绘里は頷き、静かに言った。「はい、わかりました」
「西村さん、黒田さんはスタイリストを手配されましたが、今入ってもよろしいでしょうか?それともお食事が終わるまでお待ちしましょうか」
西村绘里:「……」
黒田真一は不在だが、細部にまで気を配り、明らかに男性は事前にすべて手配していた。
西村绘里は美しい瞳を少し暗くし、それから頷いた。
「ええ、彼女たちを入れてください」
「かしこまりました……西村さん」
……
黒田真一が西村绘里のために手配したのはローマの一流メイクアップアーティストだった。メイクアップアーティストが部屋に入ると、西村绘里が唇を閉じてデザートを食べている姿を見て、大いに感嘆した。
なんと美人だったのだ。
美人は繊細で、壁画のようだった。
まだ手を加えていないのに、すでに息をのむほど美しかった。
そのため、西村绘里にはヌードメイクだけで十分だと即決した。
……
西村绘里は素早く目の前のデザートを数口食べ、静かに言った。「すみません、ちょっと身支度をして、ドレスに着替えてきます」
「はい、西村さん」
……
西村绘里がドレスに着替えて出てきたとき、最初はドレスが小さすぎるか大きすぎるかで調整が必要だと思っていたが、予想外にも完全に自分のサイズで、ぴったりだった。
西村绘里の肌は非常に白く、白いシフォンのドレスを着ると、さらに肌の白さと輝きが引き立った。
柔らかな肌は、つまむと水が出てきそうなほどだった。
胸元はシフォン処理が施され、胸の美しさをほのかに垣間見せるのにちょうど良かった。
スタイリストも多くの美人を見てきたが、今日この東洋の女性から、何が「息をのむほど美しい」かを見た。
「西村さん、本当にお綺麗です」
「ありがとうございます」
西村绘里は鏡の中の自分を見つめた。眉をわずかに寄せ、メイクはしていなかったが、顔立ちは繊細だった。
西村绘里は唇を噛んだ……
母から受け継いだ美しい容姿に感謝すべきなのだろうか。