西村绘里はなぜか分からなかったが、ゲイル社長がそう言うと、彼女の頭に一瞬浮かんだのは……夫婦が心を一つにすれば、その利は金をも断つ、ということだった。
「ゲイル社長、お気遣いありがとうございます。黒田社長の指導が行き届いているだけです」
西村绘里の冷静な対応に、ゲイル社長は思わず感心した。
自分はどうしてこんな優秀な社員に出会えないのだろう?
ゲイル社長は目を細め、口を開いた。「西村さんをダンスにお誘いする栄誉を得られるでしょうか。ついでに……西村さんのデザイン作品について少し意見交換したいのですが……あなたの作品に大変興味があるのです」
ここまで言われては。
特に相手は社長なのだ。
西村绘里は口元に淡い笑みを浮かべ、「はい」と答えた。
……
ゲイル社長が自ら日系の女性をダンスに誘ったことで、多かれ少なかれ人々の注目を集めていた。