第463章 旦那様、口を開けて2更(3)

西村絵里と出会った後、黒田真一のすべての自制心と冷静さは崩れ去り、残ったのは興奮と西村絵里を自分のものにしたいという欲望だけだった。

薬局はホテルからとても近かったので、西村絵里はすぐに黒田真一に駐車場へと引っ張られ、黒田真一のランボルギーニの前を通り過ぎると、西村絵里は直接車内へ押し込まれた。

西村絵里がまだ状況を把握できず、体勢を正そうとした時、男の大きな体がすでに覆いかぶさってきていた。

黒田真一は怒りのため、胸が上下に激しく動いていた。

西村絵里の顔色が思わず青ざめた。

以前なら…

二人のこのような行動は、親密さの表現として理解できただろう。

しかし今は…

特に昨夜の出来事を経験した後では。

だから、男と女がこの姿勢になるのは、たいていは悪いことをするためだ。

ある種のこと、男と女が一線を越えると、それはこぼれた水のように、もう戻せない。一度あれば、二度目、三度目はさらに容易になる。

「黒田真一、だめ!」

西村絵里は息を切らし、焦りで頭皮がぴりぴりし、男の体の下から逃げようとしたが、黒田真一の大きな体が押さえつけていて、まったく抜け出せなかった。

黒田真一は女性のこの絶世の美しさを見つめていた。

西村絵里は全く知らなかった、彼女のどんな些細な動きも…自分にとっては誘惑だということを。

自分の自制心は、女性の前では崩れ去る。

一筋の興奮が、自分の体内から外へと広がっていく。

今、彼女がまるで小さな白うさぎのように驚きながらも冷静を装っている姿は、さらに自分に女性の仮面を引き裂きたいと思わせる。

「西村絵里、一度始めたからには…終わらせるか続けるか…それはお前が決めることじゃない、わかったか?」

黒田真一の低く厳かな言葉が、静かな車内に響いた。

西村絵里の顔色が再び青ざめた。

次の瞬間、男の熱いキスが押し寄せてきた。

「んっ…」

西村絵里は逃げられず、ただ男のキスがどんどん深くなるままにするしかなかった。

西村絵里は逃げられず、驚きの声を上げた。

「黒田真一、離して…ここはイタリアよ。」

彼が好き勝手に振る舞い、威張り散らす名古屋市ではない。

黒田真一は口角に皮肉な笑みを浮かべた…

「どこにいようと、お前が俺の女だということ、黒田奥さんだということは変わらない。」