小さなロリータが熟睡している様子を見て、西村絵里の表情はとても柔らかくなり、黒田真一の大きな手から自分の小さな手を抜こうとしたが、黒田真一はしっかりと握りしめ、明らかに離す気配はなかった。
西村絵里は表情を固くし、不自然に視線をそらして言った。
「先に甘奈を抱いていて……」
「大丈夫だよ……両方とも面倒見られる。君も甘奈も、どちらも離したくないんだ」
西村絵里は黒田真一の言葉を聞いて、表情が少し固まり、再び心に暖かい流れが入り込み、体中に広がっていくのを感じた。
「わかった」
西村絵里は慎重に黒田真一の動きに合わせ、男性の左手が熟睡している甘奈を抱き、右手を空けて自分の小さな手を握りながらエレベーターの方向へ歩いていくのに任せた。
村上秘書:「……」
なんという効率……
さっき出かけるときはまだ冷たい表情で、手も繋いでいなかったのに。
今はどうして急にこんなに甘い雰囲気になったんだろう?
村上秘書は驚いた。
この展開のスピードが少し速すぎる。
自分でさえ適応できないほどだ。
これを見ると、黒田社長はもう怒っていないのか?
そう考えると、村上秘書は満足した……
はぁ、自分はただの普通の小さな秘書に過ぎないのだ。
黒田社長が怒らないことは、自分にとって天からの恵みのようなものだ。
そうなれば昇進や昇給も……期待できる。
以前は昇進や昇給は実績で決まっていたが、西村絵里が来てからは、黒田グループでの昇進や昇給は明らかに黒田奥さん次第だ。
黒田奥さんが機嫌よく過ごせば、黒田社長も自然と気分が良くなるのだから。
だから、村上秘書は思わず愚痴った:男というのは、みんな無駄に気取る生き物だ。
……
西村絵里は黒田真一について最上階の大統領スイートに着くと、すぐに甘奈が寝られる場所を整えた。
大統領スイートには特別に子供用ベッドが追加されていたが、西村絵里は甘奈が一人で寝ることに慣れていないのではないかと心配し、大きなベッドを整え、黒田真一に甘奈を大きなベッドに寝かせるよう指示した。
昨日は……
二人でこのベッドの上で情熱的な時間を過ごしたのだ。
だから……
西村絵里はいくつかの場面を思い出し、小さな顔が火照るように真っ赤になった。
もう少し……純粋な考えはできないのだろうか?