西村絵里の美しい瞳が震えた……
「旦那様」
「うん……旦那様、素敵って言って……」
西村絵里:「……」
「旦那様……素敵」
女性の一言一言が、自分にとって誘惑だった。
黒田真一の黒い瞳はますます深くなり、目の前の魅力的な女性を見つめ……思わず身を乗り出して西村絵里の唇を含んだ。
これまでの強引さとは違い……水のように優しかった。
夫から妻へのおはようのキスのような存在。
西村絵里は黒田真一のキスでくらくらとなり……
黒田真一が長い指に軟膏を取って自分に塗ろうとするのを見て、思わず口を開いた。
「いいです……自分でやります」
「黒田さんが黒田奥さんにサービスするのは当然のことだよ、僕がやるよ」
西村絵里:「……」
西村絵里は男性が慣れた手つきで薬を塗るのを見て、美しい瞳が震えた……
こんなに集中した眼差しの黒田真一は……普段とはまるで別人のようだった。
……
西村絵里は薬を塗り終えると、確かに楽になったと感じた。
以前ほど辛くなくなった。
西村絵里は黒田真一に手を引かれてピアノルームを出る前に、もう一度確認しなければならなかった。
そうしないと、大恥をかくことになる。
黒田真一は西村絵里の慎重な様子を見て、細長い黒い瞳を少し細めた。
西村絵里のこの小さな妻のような姿は、本当に愛らしかった。
……
甘奈は身支度を整えると、ソファに座って温かい水を飲みながら、彼氏たちと長電話を楽しんでいた。
西村絵里は思いもよらなかった……
以前は小さな少女がただの追っかけだったのに、今では……ボーイたちと親密な仲間になっているようだった。
仕方がない、誰のせいで……藤原お爺様が小さな少女の気まぐれに従い、強引な政策で……三人を縛り上げてでも家に連れてきて甘奈と食事をさせるのか。
さらに……この三人は黒田グループ傘下のエンターテイメント会社の所属だった。
だから……
黒田真一と藤原お爺様が介入しているので、甘奈は当然のように甘やかされていた。
西村絵里は思わず笑みを浮かべ、村上秘書が丁重に自分と黒田真一に挨拶するのを見た。
「黒田社長、おはようございます。奥様、おはようございます」
西村絵里の美しい瞳が驚いた……いつから村上秘書は自分のことを「西村さん」ではなく「奥様」と呼ぶようになったのだろう?