第572章 山口琴子登場2更(4)

この藤原海翔は以前、自分の前で強気な発言をしていたのだ。西村绘里のためなら東栄インターナショナルを手放すとまで言っていた。

この二大ライバルは、本当に常に自分を追い詰めてくる……

そう考えると、黒田真一の細長い黒い瞳はますます意味深くなり、人の心を魅了するほど魅力的だった。

西村绘里は黒田真一の言葉を聞いて、少し恍惚としていた。今の黒田真一の言葉の意味は、彼が自分のことを理解しているということなのか?

人生において、本当に理解し合える人に出会うのは稀だ。

特に……その人が自分の夫であるならば。

……

西村绘里と黒田真一が再び病院の入り口に着いたとき、偶然に優雅で華やかな姿を見かけた。

女性はミンクのコートを着て……顔には精巧な化粧を施していた……

すでに五十代半ばだったが、手入れが行き届いていたため、30代にしか見えなかった。