087 彼に行ってほしくない、彼に付き添ってほしい【初回購入お願いします】_21

佐々木萌那の言葉に続いて、藤原景裕を自動的に自分のものとして包括し、それを自分が奪ったかのように言うなんて、本当に笑止千万だ。

「あなたの言う意味は、藤原景裕と景山瑞樹は両方ともあなたのものだということ？証拠は？うーん、結婚証明書があるの？それとも離婚証明書？」

「あなた...」

佐々木萌那は怒りで歯ぎしりし、拳を握りしめ、村上念美の顔を思い切り平手打ちしたい衝動に駆られた。

「出せないでしょう？じゃあ何を言っているの？意味あるの？」

「私は...」

「私はまだ用事があるから、もし他に用がないなら、もう帰っていいわ」

言い終わると、村上念美は直接追い出す命令を下した。

「全部あなたのせいで私の計画が台無しになったのよ。あなたが景山瑞樹を誘惑して、私たち佐々木家を陥れたんでしょう？」

「佐々木萌那、あなたが意地悪で気難しくても構わないけど、頭を使いなさい...佐々木文彦が斉藤雅子と不倫したのは、私が強制したことなの？」

「それに...本当に景山瑞樹を誘惑したの？それとも最初から最後まで景山瑞樹に計画されていただけじゃないの」

佐々木萌那は村上念美に真実を言い当てられ、顔色が一気に青ざめ、まるで死灰のように血の気が引いた。

「全部あなたのせい...全部あなたが...」

「ふん...」

村上念美はこういった女性たちの逆転思考にもう慣れていて、これ以上話しても無駄だと知っていた。

村上念美は唇を引き締め、何かを思いついたようで、眉を上げて言った：「そういえば、佐々木萌那、私に文句を言いに来る暇があるなら、佐々木家のことをよく考えた方がいいわ。村上氏が佐々木氏へのエッセンシャルオイルの供給を断ち、今や佐々木家はスキャンダルに包まれ、誰も佐々木家と協力しようとしないわ」

「だから、佐々木家は自分の身を守るのも難しい...あなたはすぐに佐々木家のお嬢様でいられなくなるわよ」

佐々木萌那：「...」

佐々木萌那は愕然とし、明らかに村上念美の言葉を真剣に考えていなかった。

村上念美は頭の回らない女性の様子を見て、内心で、この佐々木文彦は本当に素晴らしい娘を育てたものだと思った。

当初、佐々木萌那が村上氏と佐々木氏の協力を妨害しなければ、佐々木氏のエッセンシャルオイルも滞ることはなかっただろう。