「その言葉は違うよ、この藤原家は、権力者なんだ...」
村上翔偉は思わず口を開き、その後唇を引き締めて言った。「念美、景裕と一緒になれたのは縁だよ...運命だよ」
村上念美はその言葉を聞いて口元を緩めた。
「うん...」
木下麻琳は村上念美の小さな顔が俯いている様子を見て、唇を噛んだ後、やはり我慢できずに言った。「実はね、私は娘が金持ちの家に嫁ぐなんて望んでいないのよ。私はね、木村家が良いと思っていたの...ただ木村陽太と念美には縁がなかったみたい...権力者に嫁ぐより、むしろ学者の家系に嫁いだ方が、安定した生活が送れると思うの」
村上翔偉は木下麻琳の言葉を聞き、手を伸ばして彼女の肩を叩いた。
そうだね...この藤原家は権力者だ...
でもね、自分の大切な娘は、本当は同じ立場の木村家に嫁いでほしかった...豪邸には嫁がせたくなかった。