107 藤原さんが猿芝居を奥さんに見せる【購読お願い】_4

思いがけない!

「早くしろよ、くそ、お前のせいで偉い人に迷惑かけちまったじゃないか、わかってんのか?藤原景裕に捨てられただの何だの、あの人は藤原奥様だぞ、藤原氏の大ボスだ、わかるか?」

服部社長が斉藤雅子を引っ張りながら近づいてくると、二人の言い争う声が耳に入ってきた。

村上念美の美しい瞳が少し暗くなり、その後、唇の端にうっすらと嘲笑の色が浮かんだ。

藤原景裕が自分に猿芝居を見せようとしていることを知り、あえて足を止め、この二匹の猿が来るのを待った。

...

「藤原社長、藤原奥様、こんばんは。」

近づいてきた服部社長は、藤原景裕と村上念美に媚びるように挨拶し、顔には笑みを浮かべていたが、どこか心許なさげで、おどおどとしており、額には汗が浮かんでいた。

まずいまずい、大変なことになった、偉い人を怒らせてしまったぞ。