実際のところ、友達を作るという観点から見れば、木村陽太は自分が選んだ相手ではなかった。
しかし、二人には共通点があったのだ。
それは…二人とも村上念美という女性を好きだということ。
うーん…正確に言えば、三人だ。
藤原景裕も含めると…
…
「木村陽太兄さん…景山様。」
村上念美は自ら手にしたワイングラスを持ち上げ、木村陽太と景山瑞樹に挨拶した。
木村陽太はグラスを軽く合わせた後、習慣的に言った。「あまり飲みすぎないで…温かい水に変えなさい。」
藤原景裕は薄い唇を引き締め、「もう変えてある…」と言った。
実際、皆は村上念美のグラスにはブランデーが入っていると思っていたが、実は普通の温水だった。
「うん。」
木村陽太は藤原景裕の深く暗い様子を見て、薄い唇を少し上げた。
「景裕、おめでとう。」