107 藤原さんが奥さんに猿芝居を見せる【購読お願い】_8

実際のところ、友達を作るという観点から見れば、木村陽太は自分が選んだ相手ではなかった。

しかし、二人には共通点があったのだ。

それは…二人とも村上念美という女性を好きだということ。

うーん…正確に言えば、三人だ。

藤原景裕も含めると…

「木村陽太兄さん…景山様。」

村上念美は自ら手にしたワイングラスを持ち上げ、木村陽太と景山瑞樹に挨拶した。

木村陽太はグラスを軽く合わせた後、習慣的に言った。「あまり飲みすぎないで…温かい水に変えなさい。」

藤原景裕は薄い唇を引き締め、「もう変えてある…」と言った。

実際、皆は村上念美のグラスにはブランデーが入っていると思っていたが、実は普通の温水だった。

「うん。」

木村陽太は藤原景裕の深く暗い様子を見て、薄い唇を少し上げた。

「景裕、おめでとう。」