実際のところ、友達を作るという観点から見れば、木村陽太は自分が選んだ相手ではなかった。
しかし、二人には共通点があったのだ。
それは…二人とも村上念美という女性を好きだということ。
うーん…正確に言えば、三人だ。
藤原景裕も含めると…
…
「木村陽太兄さん…景山様。」
村上念美は自ら手にしたワイングラスを持ち上げ、木村陽太と景山瑞樹に挨拶した。
木村陽太はグラスを軽く合わせた後、習慣的に言った。「あまり飲みすぎないで…温かい水に変えなさい。」
藤原景裕は薄い唇を引き締め、「もう変えてある…」と言った。
実際、皆は村上念美のグラスにはブランデーが入っていると思っていたが、実は普通の温水だった。
「うん。」
木村陽太は藤原景裕の深く暗い様子を見て、薄い唇を少し上げた。
「景裕、おめでとう。」
「ありがとう…」
二人の男性の乾杯、すべての深い意味は言葉にせずとも明らかだった。
村上念美は藤原景裕と木村陽太が以前と変わらない様子を見て…どこか奇妙だと言えないが、何かが普通ではないと感じた。
まるで…敵対関係がそれほど明らかではなくなったようだ。
…
「藤原さん…あなたは本当に卑怯ですね…陰湿な手を使うなんて。」
景山瑞樹は口角を軽く上げ、手にしたワイングラスを遊び心たっぷりに持ち上げ、挑発的に目の前の藤原景裕を見た。
うん…思わず目の前の男性に敬意を表してしまう。
不満げな言葉を言いながらも、実際には…こんな相手に負けるのなら、心から納得できる。
藤原景裕はその言葉を聞いて薄い唇を上げ、当然ながら景山瑞樹が藤原氏のことを言っていることを理解していた。
「景山様は料理ができますか?」
景山瑞樹:「…」
景山瑞樹は藤原景裕のこの質問に一瞬戸惑った。
「どういう意味ですか?」
村上念美と木村陽太は視線を交わし、藤原景裕の言葉の浅い意味を理解していないようだった。
「申し訳ありませんが、私はできます…しかも味も悪くありません。」
景山瑞樹:「…」
マジでくそったれだ。
景山瑞樹の表情が少し変わり、一瞬反応できなかった…我に返って初めて、藤原景裕のこの言葉の意味が村上念美のためだと気づいた。
彼は村上念美のために美味しい料理を作るということだ。