112 幼稚な男【題外話にイベントあり】_7

藤原景裕は木村陽太の新会社が土地を必要としていることを知り、藤原氏の遊休地を直接原価で木村氏に譲渡した。

原価で...結局のところ、木村陽太の性格は施しを受け入れるような人ではなかった。

...

木村家:

木村お母さんと木村お父さんは、藤原景裕と村上念美夫婦が一緒に訪問してきたのを見て、少し恐縮していた。

考えてみれば、この藤原景裕がまだ子供の頃、木村陽太と仲が良く、家に遊びに来ることは珍しくなかった。

今では...藤原景裕の身に纏うオーラは人を畏怖させ、直視しづらい...木村お母さんと木村お父さんが大きな経験を積んでいても、その威圧感に圧倒されてしまう。

村上念美については...もはや普通の女の子ではなくなっていた。

三年の時間で、この娘も磨かれていた。

凛々しく見え、その小さな顔立ちも本当に洗練されていた。

ただ残念なことに、木村陽太とは縁があっても結ばれる運命ではなかった。

「景裕、念美、あなたたちはいつ結婚式を挙げる予定なの?」

木村お母さんが気遣わしげに尋ねた。村上念美は知っていた...木村お母さんは自分がこれ以上木村陽太に影響を与えることを心配していたのだ。

藤原景裕はその言葉を聞いて自ら答えた:「来年...あまり長引かせるつもりはありません。もちろん、来年であれば、念美がシアトルに戻って大学4年生を終えるか、あるいは大崎大学に転入するかによって、状況に応じて調整することになるでしょう。」

村上念美は藤原景裕が自分の未完成の学業について考慮していることに驚き、心の中が少し温かくなった。

木村お母さんは静かに言った:「それを考えると、木村陽太の方が先に婚約するかもしれないわね...彼はもう若くないし、私たちは彼が婚約を決めることを望んでいるの...」

村上念美:「...」

木村お母さんがこの言葉を言った時、視線は絶えず自分に向けられていた。村上念美は唇を噛み、口角を上げた。

「木村陽太兄さんは私に話してくれました、本当におめでとうございます。」

木村お母さんは村上念美の言葉を聞いて、心が大いに慰められた。

「そうね...これが最良の解決策になったわ。」

藤原景裕の瞳が少し暗くなった...

恋愛においては譲り合いはない。

ただ必ず手に入れるべきもの、唯一無二のものがあるだけだ。