113 熊谷紗奈自ら墓穴を掘る【真実の発見】_7

村上念美は自分が買ったこのトレンチコートにとても満足していた。いつも藤原景裕が自分のために何かをしてくれていたが、ようやく...自分も彼に贈り物を用意することができた。

藤原景裕の瞳が微かに動いた。彼女が楽しげなことを話していたが、実際には...自分はアルバイトという言葉を捉えていた。

「シアトルでアルバイトをしていたのか?」

村上念美:「...」

まあ、仕方ない。

うっかり口を滑らせてしまった。

村上念美は口元に微笑みを浮かべ、「そうよ、学費を稼ぐためにね?それに私の専攻は比較的楽だったから、特にすることもなかったし」

「ふむ」

藤原景裕の瞳が微かに動き、目の前の彼女を見つめ、瞳の奥は複雑な色を帯びていた。

彼女は一体どれだけのことを自分に隠しているのだろうか。

...

村上念美は藤原景裕を引っ張って村上翔偉にネクタイを、木下麻琳に赤いスカーフを選んだ。

新年は喜びに満ちあふれていた。

ボスとサンタには、村上念美は缶詰と犬のエサを選び、ついでに新しい服や髪飾りも買って、それから藤原景裕と一緒に藤原家に戻った。

...

昼食の後、村上翔偉と木下麻琳も藤原家に到着し、藤原大旦那様と熊谷大旦那様、渡辺愛美に新年の挨拶をした。

この新年は、二つの大家族が一緒に集まることを願っていた。

村上念美は自分が買ってきた服を積極的に皆の前に差し出し、皆を喜ばせた。

村上念美は公平に、熊谷紗奈にも簡単な普通のスカーフを選んで、気持ちだけ表した...

熊谷紗奈はスカーフを受け取ろうとせず、包装袋ごと無造作に脇に置いた。

「結構よ、お正月なのに、この長いものは縁起が悪いんじゃない?知らない人が見たら首を吊るのに使うものだと思うわ」

熊谷紗奈の皮肉な言葉が村上念美の耳に入った。

他の人たちは熱心に話していて聞き取れなかったが、村上念美は口元を引きつらせた...

そうね...本当に彼女を絞め殺したいわ。

熊谷紗奈の目に浮かぶ得意げな表情と高ぶった様子を見て、村上念美の瞳に暗い光が走った。

心の中の不安な気持ちが、ますます強くなっていく。

うーん...

言い表せない感覚。

ただ、熊谷紗奈は自分を良い気分にさせたくないのだと感じた。彼女は魚死して網を破るようなことも厭わない、狂った女だ。