113 熊谷紗奈自ら墓穴を掘る【真実の発見】_7

村上念美は自分が買ったこのトレンチコートにとても満足していた。いつも藤原景裕が自分のために何かをしてくれていたが、ようやく...自分も彼に贈り物を用意することができた。

藤原景裕の瞳が微かに動いた。彼女が楽しげなことを話していたが、実際には...自分はアルバイトという言葉を捉えていた。

「シアトルでアルバイトをしていたのか?」

村上念美:「...」

まあ、仕方ない。

うっかり口を滑らせてしまった。

村上念美は口元に微笑みを浮かべ、「そうよ、学費を稼ぐためにね?それに私の専攻は比較的楽だったから、特にすることもなかったし」

「ふむ」

藤原景裕の瞳が微かに動き、目の前の彼女を見つめ、瞳の奥は複雑な色を帯びていた。

彼女は一体どれだけのことを自分に隠しているのだろうか。

...

村上念美は藤原景裕を引っ張って村上翔偉にネクタイを、木下麻琳に赤いスカーフを選んだ。