115 景裕、村上念美と離婚しよう_7

村上念美が目を覚ますと少し茫然としていたが、意識がだんだんはっきりしてきた。

昨夜の出来事が次々と脳裏に浮かんでは消えていった...

村上念美の美しい瞳が少し澄み渡り、両手は包帯で包まれていて、まだあまり水に触れることができなかった。

熊谷紗奈、人を侮り過ぎている。

本当に思い切りその女の顔を平手打ちしたかった。

彼女は自分を皆の笑い者にして、そして...自然な流れで自分と藤原景裕を離婚させようとしているのだ。

そして自分を藤原家と熊谷家から遠ざけようとしているのか?

ただ村上念美が全く予想していなかったのは、藤原景裕が自分のシアトルでの事情を知っていること、自分の病状を知っていることだった。

村上念美は手を上げて眉間をこすり、思考が少し混乱していた。

どう皆に対応するか、どう当時の事を話すか、まだ考えがまとまっていなかった...