116 藤原景裕と村上念美の選択_2

ふっ...

村上念美は口元に冷笑を浮かべ、手の中のスプーンを握りしめた。

彼女を見てからというもの、どうしても平常心でいられず、ただ一つの思いだけがあった。それは彼女の本性を暴くことだ。

村上翔偉はその様子を見て、自ら立ち上がって挨拶した。「新年おめでとう、お義母さん。どうぞお座りください！」

「ええ。」

熊谷紗奈の態度は冷淡で友好的ではなかったが、村上翔偉は依然として熱心に挨拶を続けた。「朝食はもう召し上がりましたか？麻琳が団子を作ったんですよ、とても美味しいですよ。」

「結構です。そんな不潔なものに興味はありません。」

熊谷紗奈は軽く鼻を鳴らし、その後、目の前の村上念美を得意げに見下ろし、非常に興味深そうに口を開いた。「念美、あなたに会いに来たのよ。」

村上念美：「...」

熊谷紗奈が自分を訪ねてきた？

村上念美の瞳が冷たく光り、手に持っていた茶碗をテーブルの上に置いた。

不潔なもの？実際、木下麻琳が手作りしたものを、彼女に食べてほしくなど少しも思っていなかった。

...

「何か用？」

「念美、あなた、景裕と離婚しなさい。この件については、もう景裕とも話し合ったわ。彼も同意したわ。だから今日来たのは、景裕とあなたの離婚の件について話すためよ。」

藤原景裕はまだ態度を表明していないのに、熊谷紗奈はすでに男性のために選択を下していた。

彼女は村上念美を使って彼を追い詰め、彼には他の選択肢がなかった。

村上念美：「...」

離婚？

村上念美の瞳が少し揺れ、顔を上げて熊谷紗奈の後ろから木下麻琳と一緒に歩いてきた藤原景裕を見つめ、口を開いて掠れた声で言った。「彼は私と離婚したいの？」

藤原景裕の瞳は深く沈み、村上念美の澄んだ美しい瞳と目が合うと、薄い唇を引き締めた。

そんなはずがない！

藤原景裕の性格をよく知っているからこそ、村上念美は簡単には信じなかった。村上念美は口元に軽蔑の笑みを浮かべた。

「信じないわ。熊谷紗奈、なぜそこまで私たちを追い詰めるの？」

村上翔偉と木下麻琳も熊谷紗奈の言葉を聞いて顔色を変え、思わず口を開いた。「そうですよ、お義母さん。念美と景裕はやっと一緒になれたのに、なぜこんなことをするんですか。」