広々とした尋問室、監視装置は閉じられ、藤原景裕と村上念美の二人だけがいた。
村上念美は男性の腕の中に寄りかかり、小さな声でつぶやいた。「どうやら私たち本当に夫婦ね...うん、考えていることが同じだったわ。」
藤原景裕の瞳が微かに動き、少女の囁きを聞きながら、かすれた声で言った。「どうして私がお前を深く愛さないでいられようか...」
村上念美:「...」
そうね、彼は浅はかに自分を愛しているのではなく、深く愛している...骨の髄まで。
「一生お前に言いたい、愛している、ごめん。」
バカね...
男性の磁性のある言葉を聞きながら、村上念美は自ら小さな手を伸ばして男性の薄い唇を覆い、口角に明るい笑みを浮かべた。
「足りないわ...あなたの謝罪なんて聞きたくない、謝罪を愛してるに変えて、永遠にそう言い続けてほしいの。」
「わかった、愛している。」
藤原景裕はうなずき、村上念美が自分の腕の中で少し休めるようにした。
...
民政局:
熊谷紗奈は最初、一人で得意げに出かける予定だったが、思いがけず、藤原陽、藤原大旦那様、熊谷徹朗と渡辺愛美が一緒に来ることを主張した。
熊谷紗奈も村上念美に皆の前で態度を表明させたいと思い、干渉しなかったので、一行は直接車で民政局へ向かった。
これらの人々にも諦めさせよう、村上念美がどんな人間か知らせるのだ。
...
熊谷紗奈は自分の腕時計を見ると、時間はすでに2時50分だった。時間を計算すると、村上念美はもうすぐ到着するはずだ。
熊谷紗奈はにこにこしながらつぶやいた。「ようやく村上念美を藤原家から追い出せるわ。面倒な女ね、病弱なくせに、お金持ちの家に嫁ぎたいなんて、まったく夢物語よ。」
藤原大旦那様はそれを聞いて冷たく言った。「もういい...子供の状態があんなに悪いのに、少しは黙っていなさい。」
「この離婚の件は、村上念美が言い出さない限り、我々藤原家から言い出すべきではない。」
藤原大旦那様は村上念美という娘が好きだった、たとえ3年前に村上念美がわがままなことをしたとしても。
時間は過ぎ去った...もう言及しないでおこう。
それに、藤原景裕は本当に村上念美を好きなのだ、これは何よりも重要なことだ。