木下警官は口元に笑みを浮かべた。「はい...藤原さんです。」
何?
皆は一瞬固まった。
「それに...藤原奥様も...今日の午後2時過ぎに警察署に自首してきました。」
「正確に言えば、ご夫婦で告発したんです。」
藤原大旦那様:「...」
何?
自首?
熊谷徹朗と渡辺愛美はまだ驚きの中から抜け出せないでいた。
これは...一体どういうことなんだ。
藤原大旦那様はすぐに冷静さを取り戻し、震える声で言った。「あの...木下警官、私たちに念美と会わせてもらえませんか?」
「この件は、私たちから直接彼女に聞きたいんです。」
木下警官はうなずいた。「もちろん可能ですが、藤原奥様は現在拘留中の身ですので、面会という形になります...また、時間も長くはとれません。」
「わかりました...ただ...面会とはどういうことですか?念美は...」
「実は、彼女は3年前の殺人事件に関わっている疑いがあるんです...ただし、故意の殺人ではなく、正当防衛なんですが...」
藤原大旦那様の心に激しい波が押し寄せ、思わず後ろに何歩も下がり、藤原陽が素早く支えて座らせるまで我に返ることができなかった。
「これらのことは...私からは多くを語れません。彼らに会ってからにしましょう。藤原さんと藤原奥様は取調室にいます。」
「わかりました、案内してください。」
「かしこまりました。」
木下警官はすぐに警官に指示し、藤原大旦那様一行を取調室へと案内した。
取調室の外では、相馬紗奈が結果を焦りながら待っていた。
一行が来るのを見て...目を細め、藤原家の人々だと察した...
「藤原大旦那様、どうぞお入りください...」
「ああ。」
「相馬紗奈先生、あなたも入れますよ。」
「わかりました。」
相馬紗奈は状況を見て軽く微笑み、藤原大旦那様たちと一緒に取調室に入った。
...
取調室内:
村上念美は昨日よく眠れなかったが、今はすべてを打ち明けて、心は穏やかだった。藤原景裕の腕の中で、浅い呼吸をしていた。
聞きたいことも、言いたいことも山ほどあったが...
お互いを抱きしめ、ただ一緒にいることが最高の慰めだと気づいた。