125 最後の真実【購読をお願いします】_5

「うん。」

藤原景裕は頷き、その端正な顔は少し青ざめていた。

村上念美は熊谷紗奈のこの様子を見て、自業自得とはいえ、藤原景裕の心中は決して穏やかではないだろうと理解していた。

「牛肉チャーハン作ったわ。少し食べて。一日中何も食べてないでしょう。」

「ああ。」

牛肉チャーハンの香りが鼻をくすぐる。藤原景裕は目覚めた瞬間からその香りを嗅いでいた。

特に村上念美が手作りしたものだから、藤原景裕は当然食欲が湧いていた。

...

村上念美は男が自分の手作りの牛肉チャーハンを美味しそうに食べる様子を見て、思わず口を開いた。「今回は面目を立ててくれたわね。前回は嫌々食べてたじゃない。」

私の料理が美味しくないって文句言ってたくせに。

藤原景裕はその言葉を聞いて、瞳が微かに動いた。

「実は、これは三回目だ。二回目じゃない。」

村上念美：「...」

え、二回目？

村上念美は美しい瞳を見開いた...

自分の計算はそんなに悪くないはずだが。

村上念美は唇を噛み、静かに言った。「前回あなたが美味しくないって言ったのしか覚えてないわ。もう作らないでって、そんなに不味いなら胃に悪いって。」

藤原景裕は少女の可愛らしい不満げな表情と少し落ち込んだ様子を見て、自ら大きな手を伸ばして彼女の髪を撫でながら囁いた。

「あれは二回目だ。」

「何？」

「一回目の時、君がボスのために牛肉チャーハンを作った時、あの時、僕は君の作った牛肉チャーハンを捨てなかった。弁当箱に入れて会社に持って行って食べたんだ。」

村上念美：「...」

目の前の男がクールでシャイなのはずっと知っていた。

まさか...こんなにシャイでクールだとは思わなかった。

村上念美は思わず笑った。

そうだ、あの時自分はボスのために牛肉チャーハンを作ったのに...誰が知っただろう、藤原景裕がステーキも作って、そして自分に「ボスがどうして君の作った牛肉チャーハンを食べられるか」と言った。言外に軽蔑の意味が込められていた。

その後、牛肉チャーハンは男の言葉によればゴミ箱に捨てられたという。

自分は...それを信じていた。

「思い出したわ。翌日、来春さんが別荘の弁当箱が見つからないって言ってたけど、あなたが牛肉チャーハンを入れて会社に持って行ったのね。」

「ああ。」