自分に...贈るの?
この南町別荘には、自分と藤原景裕しかいないわ。
村上念美は唇を上げた。藤原さんがこんなに...ロマンチックなんて珍しいわね...
こんなに雰囲気を出して、サンタまで登場させるなんて。
村上念美はゆっくりと手の中の白い紙を広げた。紙には、男性の力強い文字が書かれていた。
昨日よりも今日、君をもっと愛している。
村上念美:「...」
バカね。
これは自分が聞いた中で最もロマンチックな言葉と言えるのかしら。
裏側にもまだ文字があるかもしれないと気づき、村上念美はゆっくりと紙を裏返した。そこには三文字、簡潔明瞭に書かれていた。
ボスを見て。
村上念美:「...」
ボス?
村上念美は視線をカーペットの上に横たわるボスに向けると...ボスが何かを無造作に噛んでいて、赤と緑が散らばっているのが見えた。