135 景山家を訪問、老爺子からの招待【2更】_2

「服部社長は家柄がよく、若くして成功している...彼は年に一千万も稼ぐのよ。」

相馬紗奈:「...」

うん、彼は完全に見落としている、この服部社長は妻に先立たれた男だということを。

それに...彼が自分に合うだって?

目を開けて嘘をつくなんて。

家柄がいいとか、若くして成功しているとか。

それはただの嘘っぱちだ。

相馬紗奈の口元に薄い嘲笑が浮かんだ。

「ねえ、紗奈、お父さんは分かっているよ、あなたには自分のキャリアがあるって。結婚した後も心理療法士を続けることができるし、同時に服部家の若奥様にもなれるじゃないか。心理療法士でどれだけ稼げるというの...服部社長と結婚すれば、もうお金の心配をする必要はないんだよ。こんな素晴らしい服部社長を、お父さんは黛璃にも勧めなかったんだよ。」

沢田恒夫は相馬紗奈に高収入があるとは思っていなかった。紗奈がシアトルで持っている資産について、彼は詳しく調査することができなかった。

ただ昨日の紗奈と他の人との電話から、そして自分の思い込みから、紗奈はおそらくお金に困っているのだろうと判断しただけだった。

相馬紗奈は村上念美と視線を交わした。この沢田恒夫は本当に老狐だ、賢さが仇になっているな。

「結構です。沢田黛璃に紹介してあげてください。ありがとう。」

言い終わると、相馬紗奈はそのまま電話を切った。

村上念美は小さな手を握りしめ、怒りが込み上げてきた。

こんな卑劣な男は初めて見た。

最低な父親だ...

相馬紗奈は少し疲れた様子で、手を上げて眉間をさすり、それから眉を上げて言った:「どう?私がお金に目がないように見える?」

村上念美は唇の端の笑みを必死に抑えながら、これが紗奈の安心感を求める一つの方法だということを知らないはずがなかった。

「うーん...ちょっとね...でも私は好きよ。」

言い終わると、村上念美は自ら相馬紗奈の腕に手を回し、小声で言った:「それに、お金を愛することは恥ずかしいことじゃないわ...口では愛さないと言いながら、心の中では密かに愛している人こそ恥ずべきよ。」

「うん...例えば私が藤原景裕の色気を好きだとか、いつも口にしているでしょ...楽しくてしょうがないわ。」