137 女王相馬紗奈、見事に渣男を懲らしめる_3

村上念美は唇を軽く噛み、思わず口を開いた。「あなたが沢田恒夫との約束に来たと知って、とても心配していたの。」

「うん。」

なるほど、そういうことか。

相馬紗奈は口元を緩め、静かに言った。「私は自分の位置情報をあなたと木下警官に送ったわ。もし何かあったら、すぐに私を見つけられるように。それに、私はテコンドーを習っていたから、あの男程度なら簡単に対処できるわ。」

「...」

村上念美はずっと相馬紗奈が高学歴の心理医だとだけ思っていた。

まさか...テコンドーまで習っていたなんて。

「あなた...どうして一度も私に言わなかったの？」

「だってあなたが一度もそういうことを聞いてこなかったからよ。」

うん、実際、相馬紗奈のテコンドーのレベルは最高位の黒帯ではないものの。

それでも赤黒帯だった...

赤黒帯とは、長期間の系統的なトレーニングを経て、10級から1級までのすべてのコースを修了し、赤帯から黒帯への移行段階にあることを示している。

相馬紗奈はかつてITF、つまり国際テコンドー連盟で賞を獲得したこともあった。

相馬紗奈は驚きで目を見開いている村上念美の様子を見て、眉を上げて言った。「どうしたの...そんなに驚いてるの？シアトルでは、女性がボクシングやテコンドーを学ぶのはごく普通のことよ。大げさに驚くことじゃないわ。」

村上念美はまだ少し驚いていた。

うん...かっこいいな。

村上念美はすぐに冷静さを取り戻し、ようやく自分が何を聞きたかったのかを思い出した。

「でも、あなたは食事中だったんじゃないの？どうしてここに来たの？」

相馬紗奈は村上念美の言葉を聞いて、眉を上げた。「あなたの推測は正しいわ。沢田恒夫は罠を仕掛けたの。彼は洛村雅子の遺品で私を脅して会いに来させ、それから機会を見て私を酔わせようとした。そして...洛村雅子の物は部屋に置いてあると言ったわ。」

「その後は...うん、服部社長が入ってきて、それから...あなたたちが見たような状況になったの。」

「私はお酒をよく飲まないけど、酒量はまあまあいいから、一杯くらいじゃ何ともないわ。」

「うん、私は酔ったふりをして、沢田家の人々が何をしようとしているのか見ていただけよ。」

村上念美：「...」

やはり自分の予想通りだった。

沢田恒夫は本当に最低の父親だな。