女性が震えながら立ち去る後ろ姿を見ていると、少しふらついているのが分かり、彼女の体調の悪さが窺えた。
景山瑞樹も思わなかった...事態がここまで発展するとは。
やはり、アルコールというものは、人を滅ぼす。
...
相馬紗奈は体の不快感を我慢しながら、素早く服を着替え、簡単に身支度を整えてバスルームを出ると、景山瑞樹も同様に服を着て客間に立っているのが見えた。
男は眉をひそめている...うん、今は服を着ているから衣冠禽獣というわけでもなく、見た目は立派に見える。
相馬紗奈は正直なところ、彼に身を任せたことを幸いに思っていた...他の男ではなかったことを。
「君の車をバーの前から心理クリニックの下まで送らせておいた。今からどこに行くんだ?送っていこう」
景山瑞樹がここまで言ってくれたのだから、断れば空気が読めないことになる。