151 深夜の密会、もう一人子供が欲しい_6

「うん、彼の性格なら、必要な理由がなければ、私に手を出すことはないわ...」

村上佑城は薄い唇を上げ、眉をひそめ、真剣な表情の村上念美を見ながら、小声で言った。「念美、兄の足のことをあまり気にしないで。僕はもう君のために、彼を許したんだ。」

それに...自分の足はもう回復の余地がない。

ただ、今の状況はまだ完全に安定しているとは言えない。

だから、しばらくの間、村上念美に隠しておくしかない。

村上念美:「...」

村上念美の瞳が微かに動いた。実際、村上佑城の心を自分がどうして理解していないことがあるだろうか。

以前、村上佑城が隠していたのは...結局、自分の面子を考えてのことだった。

突然、交通事故のことを明かしたのは、最も重要な理由は文音の出自が彼を刺激したからだ。

文音の出自...藤原景裕と笹木愉伊は知っているようだ。

しかも、意図的に村上佑城に隠していた。

「お兄ちゃん...あなたの妹でよかった。」

村上念美は自ら小さな手を伸ばして村上佑城の首に腕を回し、男を抱きしめた。

「うん、誰が君と結婚しても...本当に損をするね...藤原景裕がそんな大きな損を喜んで受け入れるなんて...彼を許さないわけがないだろう?」

村上念美:「...」

まったく。

この兄は本当に実の兄なのか。

村上念美は心の中で村上佑城に対して嫌悪感でいっぱいだったが、唇の端を上げた。

「ふん...わかったわ、早く私たちの小さな天使に会いに行きましょう。」

言い終わると、村上念美は村上佑城を押して文音の病室へ向かった。遠くから笹木愉伊が文音と一緒に日光浴をしているのが見えた。

細菌感染の問題を心配して、普段は笹木愉伊が文音を簡単に下の階に連れて行くことはなかった。今日、下の階に降りたのは、おそらく天気が良かったからだろう。

村上念美は急いで村上佑城を押して近づいた...すると文音の嬉しそうな呼び声が聞こえた。

「パパ、おばさん!」

村上念美はその様子を見て、自ら小さな手を文音に向かって振った。

村上佑城は唇を上げ、文音を見る瞳は温かさに満ちていた。

ただ...視線は思わず文音の隣にいる笹木愉伊に向けられ、深い意味を含んでいた。

笹木愉伊の顔色はますます悪くなっていた...

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