第88章 Jキングがグループチャットに現れた

青木朝音が一中に転校してきたという噂はすぐに学校中に広まり、ほとんど全員が知るところとなった。最初は彼女が魔王あさねではないかと噂する者もいたが、すぐに否定され、コネを使って裏口入学したのだと一致した見解になった。

一度退学処分を受けたのに、また戻ってこられるなんて、これは前代未聞のことで、青木朝音と学校上層部の間に何か不適切な関係があるのではないかと疑わざるを得なかった。

結局、青木朝音は今や美しくなったのだから、きっと多くの人が余計な想像をしているのだろう。

後藤雪夜については、特に噂する人はおらず、ただ青木朝音のお供として、彼女と一緒に転校してきただけだと思われていた。

厳谷君彦は最初、魔王あさねが転校してきたと思い、興味津々で会ってみたいと思っていたが、青木朝音だと聞いた途端、胃が気持ち悪くなったかのように、夕食も食べられなくなった。

麗水ベイタウンに戻ったとき、彼の周りには低気圧が漂っていて、少し近づくだけで凍りつきそうだった。

「どうしたんだよ？」向井涼太が尋ねた。

厳谷君彦は無表情でソファに寄りかかり、バッグを脇に投げ捨て、冷たく嫌悪感を込めて言った。「青木の奴が俺たちの学校に転校してきたんだ。」

「誰？どの青木？」向井涼太はすぐには反応できなかった。

「他に誰がいる？彼女以外にこんなに嫌な奴はいないよ。」厳谷君彦の声には怒りが込められていて、本当に我慢できないほど嫌っているようだった。

「まさか...アオピエのこと？」向井涼太はさっと姿勢を正し、顔中に興味津々の表情を浮かべた。「マジかよ、アオピエが君たちの一中に転校したの？」

厳谷究は丁度階段を降りてきて、この一言を聞き、すぐに嘲笑して軽蔑した。「アオピエみたいなゴミが、どうやって一中に転校できるんだよ？一度退学になったんじゃなかったのか？」

「青木愛茉の話によると、彼女が青木のお爺様に頼んで大金を使って再入学させたらしいよ。今度は何をたくらんでいるのか、本当にうんざりだ。」

厳谷君彦は、魔王あさねではなく、嫌いな青木朝音が転校してきたと思うと、なぜか腹が立った。

まるで厄介な絆創膏のように、振り払っても振り払えない。

「ちっ、青木のお爺様も本当に金を惜しまないな。俺が彼だったら、とっくにアオピエを殺して終わりにしてるよ。」