午後の2時間目は英語の授業だったが、F組の英語教師が今日病欠したため、この授業はA組の担任兼英語教師の山田蘭華が代行することになった。
わざと青木朝音に意地悪をしているのかどうかはわからないが、彼女が落ちこぼれだと知りながら、黒板に出て単語を書き取るよう指名した。結果、朝音は一つも正しく書けなかった。
山田蘭華は彼女を一瞥し、顔中に軽蔑と侮蔑の色を浮かべ、心の中で安堵した。幸い青木朝音は自分のクラスに配属されなかった。そうでなければ、この腐った林檎一つで良い粥が台無しになるところだった。
「こんな簡単な単語も書けないなんて、罰として授業終了まで席で立っていなさい」
山田蘭華は厳しく言い放ち、続けて軽蔑的に言った。「こんな人間がどうやって入学してきたのか理解できないわ」
青木朝音が不真面目な態度で席に戻って立つと、山田蘭華はまた説教を始め、明らかに彼女を指して大声で言った:
「学習に近道などありません。順を追って進むことでしか頂点には立てないのです。皆さんは決して『ある人たち』のようになってはいけません。コネや裏口で入学したからといって、自分が本当に才能があると思い込むなんて」
青木朝音は眉を上げ、目尻に妖艶な赤みを帯びさせ、両手を机に置いて、突然笑いだした。かなり無関心そうに口を開いた:
「先生、その意見には賛成できません。近道を行くことがなぜ悪いのでしょう?私から見れば、優秀な人が歩き始めれば、それ自体が近道なのです!」
山田蘭華は嘲笑い、怒って反論した:「それは詭弁よ!まるで自分が優秀な部類の人間であるかのように言うなんて!頑迷で愚かすぎる!」
青木朝音はまだ笑みを浮かべたまま、七分の邪気と三分の不良さで、頷いて言った:「はい、私は確かに優秀です」
「あなた…」山田蘭華は言葉に詰まり、顔を真っ赤にした。
彼女はこれほど厚顔無恥な人間を見たことがなく、まさに目を見張るものだった。
「プッ—」
クラスの何人かの生徒が笑いを抑えきれず、次々と青木朝音を見る目に賞賛の色が混じった。心の中で、この青木朝音は本当に勇気があると思った。A組の魔女のような教師を言い負かしたのだから。
朝音の後ろに座っている北川麟兎は、顎を少し上げ、誇らしげな表情で、彼の母上様は最高だ、超かっこいい!と思った。