深井鷹行は言葉に詰まり、強がるしかなかった。「そうだとしたら、どうだというんだ?」
「では、あなたのカードを見せていただけますか?」
野村部長は手を差し出した。丁寧な口調ではあったが、明らかに彼の言葉を信じておらず、軽蔑の色が見えた。
深井鷹行は強がり続けた。「持ってきていない。家に置いてきた」
「野村部長、彼の戯言を聞かないでください。もし七色ダイヤモンドカードを持っているなら、シルバーカードなんて恥ずかしげに出さないでしょう。暇つぶしに見栄を張りに来ただけです」
宮本黛璃は傲慢に顎を上げた。「こういう人は早く追い出したほうがいいわ。天上の間の格を下げないために」
そのとき、二人の背の高い人影がエレベーターから出てきた。ふと目をやると、夢にまで見た懐かしい姿が壁にもたれて無造作に立っているのが見えた。伏し目がちな眉目には苛立ちが隠されていた。