第140章 結局、誰が誰の盗作?

その後、目の鋭いネットユーザーたちは、その動画に映っていたピアノスタンドと部屋の背景を手がかりに、この曲を弾いていた女性が昨年の歌手オーディション番組で優勝してデビューした新人スター山田茜であることを突き止めました。

ここまで見て、北川信望は自分の推測がほぼ確信に変わり、すぐに山田茜に連絡を取るよう手配し、彼女にその日ヴィーナスホテルのピアノルームの外で聴いた曲だったから自分で弾いてみたことを説明してもらおうとしました。

しかし、もう遅すぎました。少し前に、山田茜の事務所が声明を発表し、この盗作事件について回答していたのです。

その曲は山田茜が何晩も徹夜して作曲したものであり、悪意ある人物に盗作されたと正々堂々と主張していました。

声明には楽譜の画像が添付されており、それは「終末日」のピアノ曲とほぼ100%一致していました。

そして山田茜がその曲を演奏したのは、明らかに北川信望がシングルをリリースする前、それもかなり前のことだったので、北川信望が彼女の曲を盗作したという疑いが十分にありました。

北川信望は読めば読むほど腹が立ち、スマホを投げつけそうになりました。それでも、チームに山田茜側と連絡を取るよう指示しました。

いくらお金がかかっても惜しくありませんでした。母上様に少しでも迷惑をかけたくなかったからです。彼女に影響が及ぶことを恐れ、早急に解決したいと思ったのです。

しかし、このことで山田茜のチームは北川信望が後ろめたさを感じていると思い込み、さらに陰険にも北川信望側が彼女たちと交渉しようとした経緯をウェイボーに投稿し、北川信望が彼女たちに賄賂を贈ろうとしたとまで言い出しました。これではもう弁解のしようがありませんでした。

多くのネットユーザーは、北川信望のこの行動が「終末日」のピアノ曲が山田茜の作品を盗作したことを基本的に証明していると主張しました。

盗作騒動は再び最高潮に達し、同時に、他の兄弟たちもウェイボーを見て、同様に怒り心頭でした。

次々と電話をかけてきて状況を尋ね、ついでに北川信望を責め立て、彼の対応が不十分で母上様に迷惑をかけたと言いました。

北川和蒼はより怒りを感じていましたが、表面上は冷静を保ち、冷たい口調で言いました。「どうして最初からそんな対応をしたんだ?相手側と交渉するなんて?本当に愚かだな。