第136章 その奇妙な感覚はますます強くなっていた

結局、宮北一馬と宮本黛璃は散々な目に遭って立ち去った。去り際に、宮北一馬はまた意味深に青木朝音を見つめた。その視線は不明瞭で、いくらかの陰険さを漂わせていた。

「わあ、朝音さん、あなたってすごすぎるよ!今日からあなたは私の憧れだよ。あなたについていくわ」深井鷹行は崇拝するように言った。

「野村部長、この人は私の友達だから、無料で至尊ブラックカードを作ってあげて。費用は私の口座に請求して」

この言葉を聞いて、深井鷹行はほとんど跪きそうになり、興奮して言葉が出なかった。「至、至、至尊ブラックカード?朝音さん、本当に?夢じゃないよね?」

彼が今持っているシルバーカードでさえ人から借りたものなのに、まして最高ランクの至尊ブラックカードなんて?

想像すらできなかった。

なぜなら、天上の間の会員カードはお金があるだけでは手に入らず、身分や容姿が天上の間の雰囲気に合っているかどうかも見られるからだ。

少し差別的な感じがするね、ちっ。

「誕生日プレゼントだと思って。あなたたちはこれからゆっくり楽しんで。私はもう上がらないわ」

青木朝音は明らかに遊ぶ気分ではなくなっており、帰る準備をしていた。

「ああ」

深井鷹行は彼女が帰ろうとするのを見て、急に気分が沈んだ。心の中で宮本黛璃の先祖代々を呪った。

後ろの二人は「誕生日プレゼント」という言葉を聞いて、目に微妙な嫉妬の色が同時に浮かんだ。彼らも母上様からの誕生日プレゼントが欲しかった。

青木朝音は二人の前に歩み寄り、心の中の疑念を抑えて礼儀正しく感謝の言葉を述べた。「さっきはありがとう」

そう言って立ち去ろうとしたが、突然何かを思い出したように再び顔を上げて二人を見た。「さっきの男の人が言っていた、ビリヤードの達人を探しているって?」

「うん」

北川蒼涼はうなずき、その態度は言い表せないほど温和で優雅で、声も信じられないほど柔らかかった。「でも私たちが招いた世界チャンピオンのニックは今病院に寝ていて、かなり重傷なんだ」

北川倫慶は激しく言った:「全部あの被攻のクソ野郎のせいだ。陰険で卑劣極まりない。奴が密かに人を送ってニックを襲わせ、明日の試合に出られないようにしたんだ」