「どこ?見せて。」
厳谷究は「妖精さん」という言葉を聞いた途端、すぐに落ち着きを失い、急いで二階から駆け下りてきた。向井涼太のスマホをひったくるようにして奪い取り、ビデオを見つめる目はどんどん輝き、驚くほど明るくなった。
「彼女だ!これこそ彼女だ!」
厳谷究の黒い瞳から強い喜びが迸り、まるで猟師が獲物を捕らえたかのような興奮で、感動のあまり声まで震えていた。
今度こそ間違いない、ビデオの中の少女は明らかに彼がずっと探し求めていた妖精さんだった。
「じゃあ、前の深井花月は違ったってことか?」向井涼太も人違いだったことを知り、少し気まずそうにした。
「もちろん違う!」
厳谷究は断固として言い、すぐに興奮して続けた。「早く調べてくれ、彼女の名前と住所を。会いに行きたいんだ!」